機械器具設置工事の建設業許可を取得するのには、工事の実務経験の確認資料を集めるのに苦労することが多いです。

すなわち、機械器具設置工事業の専任技術者としての要件を満たす資格としては、技術士の資格がありますが、この資格を取得するのはかなりの狭き門ですから、なかなか該当者が見つかりません。

となると、工事の実務経験で証明する必要がありますが、機械器具設置工事に該当する工事の定義を狭く解釈する自治体が多く、工事の確認資料を集めるのが困難なケースが多くあります。

まず一つ目のポイントは、現地で組み立てを行っていることが必要となることです。単に機械を運搬して工場内に設置しただけでは機械器具設置工事とは認められないことが多いはずです。

さらに、機械器具設置工事業とは、それ自体が工作物であるプラント設備や、建物と一体化して機能を発揮する機械器具現地で組み立てする工事であることが必要です。つまり、現地で機械器具を組み立てて設置した場合であっても、機械器具設置工事には該当せず、それ以外の専門工事、例えば電気工事やとび土木工事に該当するものとして扱われるケースがあります。

問題となるのは、工場に機械を組立・設置する工事を「プラント設備工事」に該当する工事として施工した場合に、当事者としてはこの工事は機械器具設置工事に該当するものとして工事を行ったものの、こうした工事の資料を建設魚う許可を取得するうえでの確認資料として提出した場合に、当該機械工作物と工場内のその他の設備との接続状況によっては、機械器具設置工事に該当する「プラント設備」にはあたらず、確認資料として使うことができないというケースがあるという点です。

「プラント設備工事」として確認資料を提出する場合は、設置した機械器具が工場内のその他の設備一体として機能するか否かを確認しておいたほうがよいでしょう。

特に、東京都の場合はこのプラント設備に該当するか否かが比較的厳密に審査されますので、工事の契約書や請書だけでなく、工場内の写真や図面が必要になることもあります。

一方、建設業許可事務ガイドラインに機械器具設置工事の例として列挙されている、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、
舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車場設備工事については、比較的容易に機械器具設置工事に該当するものとして判断してもらえることが多いように思います。