ポイントは大きく3つ ~建設業許可取得の要点~

建設業許可を取るためには許可要件をすべて満たす必要があります。

当事務所では建設業許可取得に関するご相談を日々承っておりますが、建設業許可の要件のうち次の3つを満たす場合は、ほぼ、許可取得までこぎつけることができるはずです。

建設業許可はこの3つがクリアできればほぼOK

  • 経営業務の管理責任者
  • 専任技術者
  • 財産的基礎又は金銭的信用

上記の要件を満たすか否かの判断基準はなかなか複雑ですし、しかも基準を満たすことを書類で証明しなければなりません。こうした建設業許可の3つのポイントについて、一つ一つ確認していきましょう。

経営業務の管理責任者が1名必要

建設業は、受注金額が高額で利害関係人が多数いることが多く、不適切な工事が行われた場合に人の生命財産に重大な損害を与える可能性があり、また、工事の完成後もかなり長期間にわたり施工者が責任を負うことがある点に特徴がある業種です。

こうしたことから、建設業の経営は全くの素人には難しいと考えられ、一定期間以上建設業の経営に携わったことのあるものによって、事業の経営が行われることが強く求められます。

そこで、建設業法は、建設業許可を取得するためには、個人であれば事業主が、法人であれば役員の1名が経営業務の管理責任者(以下経管)に就任するにふさわしい経験を有すること、そしてその者が営業所に常勤していることを求めています。

経管として求められる経営経験とは、個人であれば事業主本人又は支配人(支配人の登記が必要)が、法人の場合は常勤の役員(監査役は含まず)の1人が、次のいずれかの経験をいいます。

経管に求められる経営経験とは

  • 許可を受けようとする建設業について、5年以上の経営業務の管理責任者としての経験
  • 許可を受けようとする建設業以外の建設業について、7年以上の経営業務の管理責任者としての経験
  • 許可を受けようとする建設業について、7年以上経営業務管理責任者に準ずる地位にあって、経営業務を補佐した経験

こうしてみると、経管に就任するためには過去許可業者の経管でなければならないようにも思えますが、その点はご安心ください。

ここにいう「経営業務の管理責任者としての経験」とは、許可業者での経管としての経験・地位そのものをさすわけではなく、おおむね以下の3点をさします。

「経営業務の管理責任者としての経験」とは

  • 法人役員(監査役を除く)として登記された経験
  • 個人事業主又は支配人(支配人の登記が必要)の経験
  • 建設業許可業者の営業所長(政令3条使用人)の経験

※法人役員としての経験は「常勤役員」であることが求められるケースがあり、申請する行政庁により判断が割れています。

また、「経営業務の管理責任者に準ずる地位」とは、上記3点の職制に次ぐ地位にあって、建設業に関する資金調達・契約締結・技術者の配置等の業務に従事した経験をいい、具体的には大手ゼネコンの部長クラスの経験をさします。

このように、もしこれから許可を取ろうとする建設業の業種について、個人事業主で建設業をやっていた、当該業種の工事を行っている建設会社で取締役に就任していた、許可業者で営業所長をやっていた経験が通算で5年間以上あれば、建設業許可を取得する可能がグッと高まります(期間は連続している必要はありません)。また、こうした経営者としての経験が7年以上あれば、全ての業種について経営業務の管理責任者になれることになります。

一方、こうした経験がない場合には、許可取得の見込みは非常に小さくなります。経営業務の管理責任者に準ずる地位という手段もありますが、非常に狭き門であることを肝に銘じてください。

専任の技術者

建設業許可を取得するすべての営業所には、専任の技術者を配置しなければなりません。この専任技術者(以下専技)には、専任性と技術者としての能力が求められます。

専任技術者の専任性

専任であることとは、その営業所に常勤して業務に就いていることをいいます。おおむね営業所の通勤圏内に居住していれば常勤性を認めれるのが一般的ですが、さらに、勤務していることを証明するために健康保険証などの公的書類で勤務実体を証明しなければならず、この点で証明が難航することもかなり多いところです。

技術者としての能力

技術者としての能力はその保有資格・学歴や実務経験で証明する必要があります。

財産的基礎又は金銭的信用

建設業の運転資金の原資として、一定額のお金を現に有していることが求められます。

一般建設業許可を取得する場合には、銀行の預金残高証明書に500万円以上あることでこの要件をクリアするのが一般的ですが、通常残高証明書は申請1か月以内に発行されたものが求められますので、証明を取得するタイミングを間違わないことが大切です。

要件該当性の判断は非常に難しい

建設業許可の要件は非常に厳格に定められており、行政庁に要件をクリアしていると判断してもらうためには、その裏付けとなる膨大な確認書類を集めて証明する必要があります。

1つの要件該当性を証明するための確認書類は1種類だけえはなく、かなり多岐にわたります。この点が、いろいろな相談窓口で建設業許可取得の可否の判断が分かれる理由といえます。

当事務所では、要件該当性のチェック、確認資料の提案、申請書類の作成、公的証明書類の収集など、建設業許可取得に必要となる一切の手続を代行しておりますので、建設業許可の代行サービスのご利用をご検討でしたら、ぜひ当事務所にお問合せください。