消防施設工事とは、火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事をいます。

例えば、次の工事は消防施設工事に該当します。

  • 屋内消火栓設置工事
  • スプリンクラー設置工事
  • 水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体または粉末による消火設備工事
  • 屋外消火栓設置工事
  • 動力消防ポンプ設置工事
  • 火災報知設備工事
  • 漏電火災警報器設置工事
  • 非常警報設備工事
  • 金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋または排煙設備の設置工事

類似した建設工事との区別

機械器具設置工事には、広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては消防施設工事と重複するものも考えられます。

こうした機械器具設置工事と重複する工事は、原則として専門工事である消防施設工事として分類される一方で、消防施設工事を含む複合的な機械器具の設置は機械器具設置工事とされます。

また、消防施設工事には金属製避難はしごの設置工事が含まれますが、ここでいう金属製避難はしごとは火災時等にのみ使用する組立式のはしごをいい、ビルに固定された鋼鉄製の避難階段はこれに該当しません。したがって、こうした固定された避難階段のみを設置する工事は消防施設工事ではなく、鋼構造物工事に該当することになります。

専任技術者の要件

一般建設業許可

10年間の実務経験のみでは消防施設工事の専任技術者となることができません。必ず資格が必要です。

  • 甲種消防設備士
  • 乙種消防設備士

次の工事は消防法の規制により、消防設備士でなければ施工できません。

  • 屋内消火栓設備
  • スプリンクラー設備
  • 水噴霧消火設備
  • 泡消火設備
  • 不活性ガス消火設備
  • ハロゲン化物消火設備
  • 粉末消火設備
  • 屋外消火栓設備
  • 自動火災報知設備
  • ガス漏れ火災警報設備
  • 消防機関へ通報する火災報知設備
  • 金属製避難はしご(固定式のものに限る。)
  • 救助袋
  • 緩降機

特定建設業許可における専任技術者の資格要件

消防施設工事の特定建設業許可を取得する場合、専任技術者は前述の資格のほか、2年間以上の指導監督的実務経験を求められます。

指導監督的実務経験とは、発注者から直接請け負った請負金額が4,500万円以上の元請工事であるものに関して、通算して2年間以上の期間、工事現場主任や工事現場監督という立場で工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。

  • 2年以上の指導監督的実務経験+甲種消防設備士
  • 2年以上の指導監督的実務経験+乙種消防設備士