電気工事業と消防施設工事業の一般建設業許可を取る場合

通常専任技術者になるには、該当者に資格がない場合は10年間の実務経験があれば専任技術者としての要件を満たすことができます。

ところが、電気工事と消防施設工事については、無資格では専任技術者になることはできません。

すなわち、電気工事については電気工事士法、消防施設工事においては消防法の規定により、そもそも有資格者でなければ工事を施工できないとされています。そこで、この2つの工事について建設業許可を取得する場合にも、無資格者が専任技術者になることは認められていません。

ただし東京都の場合は、過去に実務経験で専任技術者に就任している方がいる場合は、そのまま実務経験で専任技術者となることを認めています。ただし、こうした措置は今後も続くかは不明ですから、速やかに適切な資格を取得するなり、有資格者を配置することが望ましいといえます。

指定建設業の特定許可を受ける場合

土木工事業、建築工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、電気工事業、造園工事業の7業種は指定業種とよばれ、これらの業種について特定建設業許可を受けるためには、1級に相当する国家資格、技術士の資格者又は大臣認定を受けた者でなければ専任技術者になれません。

つまり、指定建設業で特定建設業許可を受ける場合、専任技術者は実務経験では要件を満たすことができないので注意が必要です。

特定建設業を取る場合の注意点

消防施設工事について特定建設業許可を受ける場合は、専任技術者には資格のほか2年以上の指導監督的実務経験が必要となります。

ここに、2年以上の指導監督的実務家経験とは、発注者から直接請け負った請負金額が4,500万円(古い工事の場合は金額の基準が異なることがあります)以上の元請工事であるものに関して、通算満24ヵ月以上の期間、工事現場主任や工事現場監督という立場で工事の技術面を総合的に指導監督した経験のことを言います。

自社で、元請4,500万円以上の工事を常時請負っていれば良いですが、通常はなかなかこうした条件がそろわず、特定建設業許可業者における指導監督経験を用いるしか方法が見つからないことが多いです。

こうしたことから、消防施設工事について特定建設業許可を受けるのは非常にハードルが高いといえます。